Innovation and Heritage 革新を続けるウェッジウッドの伝統

ウェッジウッド(WEDGWOOD)の創始者、ジョサイア・ウェッジウッド(1730-1795)は、『技術と芸術』、そして『美と機能性』の融合を目指し、生涯にわたり作陶技術の研究と創作を続け、数々の名品を世の中に送り出しました。中でも、イギリス・シャーロット王妃に納め“Queen’s Ware(女王の陶器)”の名を許された「クリームウェア」、エトルリア工場で最初に製作された黒色陶器「ブラックバサルト」、芸術品のように美しいストーンウェアの「ジャスパーウェア」の3種はウェッジウッドの歴史のなかでも代表的な陶磁器といえます。

芸術品のように美しい「ジャスパーウェア」。

1774年ジョサイア・ウェッジウッドはさらに、新しい素材の陶磁器を完成させます。当時のウェッジウッドは、既にクィーンズウェアやブラックバサルトなどの成功によって、もはや揺るぎない名声を勝ち得ていました。しかし、ジョサイアの陶芸に対する意欲と情熱は自ら過去の名声に甘んずることを許さず、新たな製品の創作に取り組むことを決意します。そして4年もの間、日夜繰り返されたおよそ1万回にも及ぶ途方もないトライアルの末、遂にウェッジウッドの代名詞ともいえる『ジャスパーウエア』を完成させたのです。

ジャスパーウエアが発明された18世紀のヨーロッパでは、エジプトやボンベイ遺跡の大規模な発掘により、古典・古代への復興熱が高まっていました。古代の美意識が注目され絵画、建築、インテリアに古代ギリシャや、ローマを規範とした古代風のスタイルが取り入れられ「ネオクラシズム(新古典主義)」と呼ばれる新たな美術様式が確立された時代です。

Dancing Hours Plaque
ブラックジャスパーに“ダンシングアワー”レリーフ(浮き彫り)を施した、18世紀のウェッジウッドを代表するプラーク(銘板)。ジャスパーのカメオデザインとして最も有名なこの図案は、18世紀後半ヨーロッパで陶器や銀器などのデザイナー兼彫刻家としても活躍したジョン・フラックスマン(1755-1826)によって創られました。ギリシャ神話のホーライ(季節と秩序の女神たち)を表現したデザインは、かつてのローマボルゲーゼ宮殿にあった暖炉の装飾から想を得ています。現在その原点となった暖炉の一部は、ウェッジウッドのコレクションで名高い、ポートサンライトにあるレディー・リーバー・アート・ギャラリーに所蔵されています。プレステージアイテムを始めとして、現在でも様々なアイテムに使用されているウェッジウッドの新古典主義を代表するデザインです。

ジョサイアはトップアーティストと契約し、ジャスパーウェアの形状やレリーフの装飾にも古代美術からインスピレーションを得たデザインを採用しました。室内装飾用の花瓶、マントルピース、飾り額、ジュエリーなど様々な作品が制作され、新古典主義の流行とともに、その美の表現に最適な素材となったジャスパーウエアは芸術的に高い完成度をともなった陶磁器として、瞬く間に一世を風靡します。その勢いは大陸の諸窯業を衰退させるほどであったと伝えられています。

ジョサイアは自身が行った実験の陶片や、失敗作品にシークレットコードをつけ、膨大な実験記録を残しています。装飾や焼成にあたりどこまでも確実に制御し、そのデータを記録、再現することによって、複製品の製作を可能にしました。さらに、エンジンターン(電動ろくろ)など最先端の技術を積極的に導入することにより、これまで手工業であった陶芸を、大量生産可能な近代的工業へと発展させることに、大きく貢献します。

ウェッジウッドが世の中に送り出した画期的な陶磁器は、常にその時代の人々に新鮮な驚きを与えてきました。『いつの時代も新しい。』創始者ジョサイア・ウェッジウッドの革新の精神は陶芸における不変の最高技術とともに、ウェッジウッド社の伝統として受け継がれ、創業より250年以上経った今にいたるまで人々を魅了する名品を創出し続けています。


ウェッジウッドジャスパープレステージ フォーカラーズ
ペガサス ダイスドプレート


Pegasus Diced Plate【世界限定生産300点】
直径22.5cm
ジョサイア・ウェッジウッド本人が技術者として18世紀に開発した「エンジン旋盤」によるエンジンターン模様、さいの目状のパターン模様(diced)が精巧に施された芸術作品。

中央には三人の女神がペガサスに水を飲ませて甲斐甲斐しく世話をしている姿が描かれています。3色使ったジャスパーのパターン模様は稀に見られますが、4色(サクソンブルー・ホワイト・ライラック・ダークターコイズ)使ったものは非常に珍しい逸品です。

ウェッジウッド ジャスパープレステージ
アラベスク ベース


Arabesque Vase【世界限定生産300点】
口径9×横幅10×高さ24.5cm
イスラム風の葉飾りと抽象化された花模様が切れ目なく、複雑に絡みあうこのレリーフは、アラベスク模様と呼ばれ、多くのプレステージアイテムに使用されています。

海の青を連想させるザクソンブルージャスパーの素地に施された真っ白なアラベスクの模様は互いに巻き込まれるようにもつれあい、浜辺に打ち寄せる波を連想させます。これらのメタファーはトップに施された躍動感あるれる波に乗る白馬のモチーフによって、このベースの主題が『海』であることを決定的なものにしています。

ウェッジウッド ジャスパープレステージ
オクタゴナル 2人用ティー5点セット

Octagon Teaset

  • ポット:横幅18.5×奥行き8×高さ11cm
  • クリーマー:横幅10.5×奥行き5×高さ7.5cm
  • シュガー:横幅10×奥行き7×高さ6.5cm
  • ティーカップ&ソーサー:カップ口径6×横幅8.5×奥行き7×高さ6cm ソーサー直径14cm

古代「希望」のシンボルとされていた“ホープアンドアンカー”のモチーフを描写したレリーフは、1770年代中頃に造型師ウィリアム・ハクウッドによってウェッジウットのために製作されたと言われています。

エレガントなオクタゴナルシィエプに施されたレリーフは、高い技術をもつ熟練工の手作業によって正確な位置に配置され、レリーフが壊れたりまた永久に剥がれないための最適となる圧力を加えながらジャスパーの素地にひとつひとつ張り付けられ完成します。ティーポット、シュガー、クリーマーと2つのティーカップ&ソーサーからなる、豪華なティーセットのシェイプは19世紀の流行からインスピレーションを受けています。