希望や博愛を象徴する「花」モチーフ
中世の時代より冬の終わりと春の到来を告げる花々は、希望や博愛の象徴として、人々のコミュニケーションの中で特別な役割を演じてきました。16世紀、ヨーロッパでは植物園が設立され、花を標本にして保存する方法が考え出されます。ヨーロッパの植物に限らず世界中の植物についても無数の絵や図面が作られるようになりました。
ドイツの名窯・マイセンも1710年の設立後すぐに、花の姿を食器に写し始めました。まずは中国や東アジアの作品の模写から、そして次第に西洋の花が現れ始めます。300年前に考えられた人気のシリーズ「ベーシックフラワー」は、多少の改良を加えられながらも、今日までほとんどそのスタイルを変えずに私たちの食卓を彩り続けています。
MEISSEN BASIC FLOWER COLLECTION
Motiv No.1 – Crown Anemone アネモネ
早春の風が吹き始める頃に花を咲かせるアネモネは、ギリシア語の「anemos(風)」に由来します(英語での別名はWindflower)。
ヨーロッパでは古くから美しさと儚さの象徴とされており、花言葉も「薄れゆく希望」「恋の苦しみ」など悲しげなものになっています。
花形小鉢は、柔らかな曲線が和洋を問わず食卓を華やかに彩ります。ちょっとしたお汁物からデザートまで、幅広くお使い頂けます。
Motiv No.6 – Ribbon Bindweed ヒルガオ
ヒルガオの花言葉は「絆」です。根で組み合っていることから、絆という花言葉になったと思われます。
しかしフランスでは映画やドラマのタイトルになったように「昼の美人」、「危険な幸福」などの人妻の情事を意味する花言葉があるようです。
Motiv No.13 – Dogrose 野ばら
ゲーテの詩のモデルとしても有名な野ばら。果実はビタミンなどの抗酸化物質が多く含まれるローズヒップで、ジャムなどに用いられます。
Motiv No.26 – Daffodil スイセン
中国の古典では水に住む仙人を水仙と言い、綺麗な花の姿と芳香から仙人のようであるため命名されたそうです。「雪中花」ともいい、雪の中でも春の訪れを告げることから、欧米では「希望」のシンボルとして用いられています。
Motiv No.25 – Marguerite マーガレット
純白の花びらと黄色の花芯が愛らしいマーガレットの花名は、真珠という意味のギリシア語が元になっています。
また、マーガレットはギリシャ神話に登場する女神「アルテミス」に捧げる花であった事から女性が求める最高の幸せとして「真実の愛」「誠実」などの花言葉があるようです。
Motiv No.33 – Tulip チューリップ
トルコのオーストリア大使が初めてこの花を見たとき通訳に名前を尋ねたところ、通訳が、「自分が頭に巻いているターバン(チュルバン)に似ているもの」と答えたために、それが花の名前として伝わったそうです。
チューリップ全体としての花言葉は、「博愛」や「思いやり」ですが、色によっては「望みの無い恋」や「愛の告白」など別の意味があります。
ベーシックフラワー
ベーシックフラワーと呼ばれるものの中には36通りもの花のパターンがあります。マイセンは創立時より花をモチーフとしたシリーズを数多く発表しておりますが、その絵柄は一つ一つ異なります。ペインター達が、自らの目で観察し花を描くため多種多様に表現されます。