ヘレンド あつらえの器 ~ヘレンドと万国博覧会~ 第六話

あつらえの器 ~ヘレンドと万国博覧会~

第1回ロンドン万国博覧会で金賞を受賞し、女王をはじめ国内外から注文を受けたへレンド。次の万博にも期待が高まります。

「万博以降、次々と来る注文とモールの探求心に対応し新たな設備投資が行われた。そのため台所事情は相変わらず厳しかったが、その甲斐あって1853年のニューヨーク万国産業博覧会でも1等賞を受賞し、展示品の完売という成果につながった。この年、のちにヘレンドの双璧となるジョルナイ工房が設立されている。

1854年、革命後にオーストリア皇帝となったフランツ・ヨーゼフ1世が「シシィ」の愛称で親しまれるバイエルン公女エリザベートに一目ぼれして結婚。翌年には娘ゾフィー大公女が誕生。皇帝は、同年5月開催のパリ万博でゾフィーへの贈り物としてティーセットを注文。そしてヘレンドは、この万博でも1等賞を受賞している。

1862年、2度目のロンドン万博開催。ヘレンドは「ポジョニの国会」と名付けた大皿を出展。オーストリア継承戦争で劣勢に追い込まれた女帝マリア・テレジアが幼い息子を抱きながら、ハンガリーの国会で支援を求めた様子を描き、1等賞を受賞した。

この万博では、、駐日英国大使が日本の工芸品を集めて展示したんやが、訪欧中の日本使節団には粗末に見え、不評やった。」つづく

【構成・執筆・編集・デザイン:大山崎リトルプレイス 
【大 山崎リトルプレイスについて】私たちノーブルトレーダース(株)の本社は京都にあり、大山崎町は会社設立の原点の場所でもあります。その町で活 動をされている大山崎リトルプレイスさん。町や生活に関する情報をはじめ、近隣地域で活動をしている会社や人々を取材され「大山崎ツム・グ・ハグ」という フリーペーパーを毎月発行されています。その中で多くの人々に陶磁器の魅力を知っていただきたいと始まったのが窯にまつわるコラム「ル・ノーブル亭主の徒 然なるままに」です。