中国のお祭りと縁起物

10月1日から中国の祝日の1つである「国慶節」が始まります。中国では約1週間の大型連休となり、この休暇を利用してたくさんの方々が海外旅行などに出かけられます。日本でもインバウンドビジネスとして、売上げを伸ばすチャンスとニュースにも度々取り上げられていますが、この「国慶節」とは一体どういう祝祭なのでしょう?

長い間文化を共有してきた“お隣さん”、中国のお祭り事情を調べてみました。

世界でも最も祝祭の多い国、中国

中華人民共和国(中国)はその国土の広さや、人口、多様な民族性のため、世界でも最も祝祭の多い国の一つです。政府が公式発表している祝日だけでも、元旦、春節、清明節、労働節、端午節、中秋節、国慶節の7つがあります。

中国の2大祝日はこの国慶節と、旧正月にあたる春節であり、それぞれ約7日間の大型連休になります。春節の時期に帰省や旅行に出かける人は37億人と言われており、春運と呼ばれるほどの民族大移動が起き、宅配会社が営業できないほどの交通渋滞になるそうです。

スワロフスキー 天壇 SWV5-428-032 19SS

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「天壇」は正月に皇帝が五穀豊穣を祈る場所でした。

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スワロフスキー 豚 オーナメント SWV5-428-643
中国では干支の始まりは旧正月の日からです。
一番人気の干支は日本のイノシシにあたる豚だそうです。

日本も元々は正月は旧暦で行われていました。それが明治維新以降に新暦が実施されてから、正月行事も次第に切り替えられていきました。中国も同様に暦が新暦に統一、正月も元旦(1月1日)と定められ、これまでの旧正月は「春節」と呼ばれるようになりましたが、中国での新正月は単なる年度の節目に過ぎません。政府の定めた休日も元旦の1日だけであるのに対し、春節は7連休に加え、伝統的な行事は3週間も続く中国最大の祝日であるのです。

中国のお正月にも紅白歌合戦のような国民的番組があり、家族みんなでこの番組を見て寝ずに夜を明かします。日本では大晦日になると除夜の鐘を聞きながら、厳粛に新年を迎えますが、中国の春節は爆竹や花火のにぎやかな音で新年を迎えます。この賑やかさこそがめでたいのです。

そして家族が全員そろい、北京など北方の方ではおせち料理にあたる水餃子などを食べます。春節に餃子を食べるのは、水餃子のかたちが昔のお金である元宝(馬蹄の形をした銀貨)と似ているため縁起が良いとされているためです。

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元宝の形をしたオブジェ

中国における季節の節句

伝統的な祝祭日としては、日本でいう桃の節句にあたる上巳の節句(じょうしのせっく、旧暦の3月3日)、お墓参りをする清明節(新暦の4月5~7日)、端午の節句(旧暦の5月5日)、七夕節(旧暦の7月7日)、中秋節(旧暦の8月15日)、別名菊花節ともいう重陽節(旧暦の9月9日)などがあります。

中国にとって数の概念はとても重要であり、奇数の縁起が良いとされているため、3月3日、5月5日など奇数を重ねた日が特別な日とされ、祝祭日となりました。

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龍は縁起の良いモチーフとして人気です。

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赤も縁起のいい色とされています。

ちなみに「端午節」には各地でドラゴンボートレースが行われています。諸説ありますが、中国では古代より龍は、神の化身であり、を祭ったことによりドラゴンボートレースが始まったと言われています。

中国では皇帝の象徴として知られている龍ですが、龍の爪の数が重要だということはご存知でしょうか?明・清の時代になると爪の本数が地位を示すようになり、5本指の爪が使用できるのは皇帝だけであり、琉球などの周辺諸国は4本指の龍しか使えませんでした。

中秋節は、新歴の9月15日ごろで、中国でもお月見をする習慣があります。形が丸いことから円満を表す月餅を食べることは割と知られていますが、中国でも兎児爺(トゥルーイエ)といううさぎの人形を飾る習慣があるそうです。

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うさぎや鶴など縁起の良いモチーフが昔話の絵のように描かれています。

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中秋節には灯籠に絵を書いて流すなど、ハスの花も高貴なイメージから縁起物とされています。

日本でも雛祭りや端午の節句、七夕などのほかに青森のねぶた祭りや、京都の祇園祭、博多ドンタクなど、郷土色国際色豊かなお祭りがたくさんあります。端午の節句や七夕などは中国から伝わったお祭りで、縁起物としてお供えをするなど食べ物も共通のものが多数あるようです。

最近は日本のお祭りにも興味があり、観に来られる中国の方も増えているそうです。お祭りやお祝いが大好きな点は日本と中国、世界共通のようですね。休暇で日本にいらっしゃった方々には、ぜひ楽しんでいただきたいですね。