立秋とは名ばかりの猛暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回はイタリアの伝統工芸ヴェネチアガラスの工房「エルコーレモレッティ」による〝ミレフィオーリ”の器をメインモチーフに、「カラフルな夏のコーディネート」をテーマにしたコーディネートをご紹介します。
「千の花」でカラフルな夏のおもてなし
古代ローマから続くイタリアを代表する伝統工芸・ヴェネチアガラス。別名「ガラスモザイク」「ムリーナ」とも呼ばれる技法“ミレフィオーリ”は、「千の花」を意味する言葉の通りまるで千の花がちりばめられているかのような、細かな作業と熟練の技がおりなす美しいガラスの器です。
「ミレフィオーリ」は、断面に星や花の模様が表れているガラスの小片を組み合わせて作られます。色のガラスに重ね合わせ、長く伸ばしたガラス棒を薄く切断して作ります。このガラス棒を様々なパターンで組み合わせて熔着させて制作します。
ヴェネチアの数ある工房の中でも、このミレフィオーリの技術・芸術性の両面において高いレベルと確かな伝統を持つのが、今回メインに用いた「エルコーレ・モレッティ」です。1911年に3人の若い兄弟により設立され、昔ながらの技術を研究しながらも、新しい技術を開発しつづけ、流行の変化にあわせたさまざまなヴェネチアガラスを制作し続けています。
モレッティの作品にはすべて「M」マークが入っており、製造元が明確にわかるようになっています。
色の違いも楽しめる器
ミレフィオーリの器は、あえて同じ色で揃えなくとも、好みの色を2枚ずつや、思い切って全部色違いにしても、トーンが揃っていたり、他のアイテムでどれか統一のものがあればテーブルをうるさく感じさせません。
アンダープレートには白の器を
アンダープレートには同じくイタリアから、リチャード・ジノリのベッキオホワイトのディナープレート(26cm)を。
硬質磁器の代名詞とも呼ばれる器で、少し大人かわいいコーディネートを目指しました。
遊び心をテーブルにプラスして、会話のきっかけに
今回はテーブルランナーの代わりに、サテンのリボンを使ってみました。
テーブルサイズに余裕があれば、ガラスの置物(フィギュア)を置くことで、テーブルに会話のきっかけ作りに一役買ってくれます。
夏こそカラフルなコーディネートを!
いかがでしたか?
夏のテーブルコーディネートは、カラフルに色で遊ぶのが楽しいものですね。
今年の夏は美しいヴェネチアンガラスの器で、テーブルに花を咲かせてみてはいかがでしょう。
テーブルコーディネート:浜 裕子 Yuko Hama
フラワー&食空間コーディネーター。
食空間プロデュースおよびコンサルティング、パーティー、イベント、広告などの企画・演出を手掛ける。近年は和の歳時記、日本の生活文化を研究し、和と洋の融合と精神性の高いデザインをテーマに、ライフスタイル提案に取り組む。花のある暮らし、生活空間をアートにすることをコンセプトに「花生活空間」を設立。自宅アトリエにてテーブルコーディネート教室なども開催している。NPO法人食空間コーディネート協会理事、認定講師。
http://hanakukan.jp/