ミントン / MINTON

金を腐食して模様をつくる「アシッド・ゴールド」、液状にした粘土を塗り重ねる「パテ・シュール・パテ」など、それまでになかった技法を取り入れ素晴らしい装飾を施した食器は、諸外国の貴族たちにも好まれ、海を越えて広くヨーロッパ各国へと広がり「テーブルウェアの貴婦人」とも呼ばれました。

創立者 トーマス・ミントン

ミントンは、1793年にトーマス・ミントンによって創立されました。
創立者のトーマスは陶磁器の転写に使う銅板を彫る職人でした。
機能美を追求する窯が多い中にあって、ミントンは初めから芸術性を求め、装飾性に富んだ作品に取り組んできました。

2代目 ハーバード・ミントン

2代目のハーバード・ミントンの時代には若手アーティストやデザイナーなど、優秀な人材を確保して、気品ある大理石のような美しさを持つ「バリアン陶器」や、金を腐食させて紋様をつくる「アシッド・ゴールド」技法などを発明し、大いに発展させました。

3代目 甥のコリン

3代目を受け継いだ甥のコリンも、新しい装飾技法を生み出しました。
最も有名なのは、デザイナー、ルイ・ソロンが発明した「パテ・シュール・パテ」技法(粘土の重ね塗り)です。
その他にも、金を盛りつけていく「レイズド・ペイスト・ゴールド」技法などもよく知られています。
ついにはヴィクトリア女王から「世界で最も美しいボーン・チャイナ」との賞賛を得るに至りました。