耐熱ガラス製でないグラスに熱いお湯を注いで割れることがあります。これはお湯に触れた表面が高温になり膨張する一方で、周囲に温度が伝わるまで時間がかかるため、ガラス面内に歪みが生じ、許容範囲を超えてしまうからです。
一般的なソーダガラスやクリスタリンの「耐熱温度差」は60度くらいと言われています。例えば、その時のガラス容器の表面温度が20℃とすると、80℃のお湯を入れても割れない。一方で冷蔵庫から出したばかりの容器が10℃の場合、同じ80℃のお湯を入れても割れてしまう。これが耐熱温度差といって、加熱した状態から冷水などに入れて、急速冷却しても割れない温度差を示すものです。
※○℃までの熱に耐えるという意味の「耐熱温度」とは意味が異なります。
沸騰したお湯を器に注ぐ時点で80℃くらいに下がりますが、例えば常温で置いてあるソーダガラスやクリスタリンのグラスを使う場合、その時の気温によってグラスの表面温度も違いますから、冬など寒い時期であれば、一旦ぬるま湯で予熱するなどして温度を上げておくとよいでしょう。
熱することを前提に製造されている耐熱ガラスのように、耐熱温度や耐熱温度差が明記されている場合は分かりやすいのですが、それ以外のガラス製品には表示が無く、ガラスの組成や製造方法によって素材の耐熱温度差が異なるため、一概に何度と言えないのが難しいところで、あくまでも目安にしていただけたらと思います。また、耐熱ガラスであっても濡れ布巾で触ったり濡れたところに置くと、耐熱温度差を超える場合がありますから注意が必要です。