磁器とボーンチャイナは最も高級なやきものとされており、大変よく似ているため、見分けることが難しい場合もあります。そんな時は、下記のようなポイントに注目して見分けにチャレンジしてみてください。
【磁器】は1200~1400度の高温で焼成されるため完全に焼き締まっており、吸水性はありません。
素地が白くて透光性があり、陶磁器の中では最も硬く、軽くはじくと金属的な音がします。
原料は陶土と呼ばれる土から作られる陶器と異なり、陶石という石を砕いたものから作られます。
日本の代表的な磁器としては有田焼(伊万里焼)や九谷焼があります。英語でいう場合はPorcelain(ポーセリン)または単にchina(チャイナ)と呼ぶこともあります。
【ボーンチャイナ】は磁器の白さを作るカオリンが入手できないイギリスで、代わりに牛の骨灰「ボーンアッシュ」を原料に加えることで生まれました。
象牙色をした柔らかな質感で透光性が高く、現代では高級品とされています。
日本では素地中に30%以上の骨灰を含むものをボーンチャイナと日本工業規格(JIS)で定められています。
原料の牛の骨灰から「ボーン(=骨)」、イギリスで磁器のことを磁器発祥の地 且つ 最大の産地であった中国にちなみ「チャイナ(=中国)」と呼んでいたことから、このやきものを「ボーンチャイナ(Bone china)」と呼ぶようになりました。また牛の骨の代わりにカルシウムを加えた「ニューボン(ニューボーン)」というものもあります。
≪磁器とボーンチャイナ 見分けるポイント≫
- 色合い…ボーンチャイナの場合は骨灰を多量に含んでいるため、主成分が素地に含まれている不純物を焼成中に消してしまい青黒さがなくなります。ですので、磁器によくある青白さとは対照的に、乳白色の温かみのある白さを持っています。ただし、これも骨灰の含有量により白さも異なります。
- 強度…磁器もボーンチャイナも外見はデリケートですが、強度に差があります。あくまで一般的な目安としてですが、ボーンチャイナは磁器に比べて、カップで2倍、プレート類で4倍くらいの強度があると考えられています。
- 透光…どちらも素地内に均一なガラス層があるため、透光性はありますが、ボーンチャイナの方が透光性が高いと言われています。